親孝行できるかな? 感想
やはり、年齢を深く重ねないと強く実感できないものであるのが、切ないといったところなんだろうなあ。
子どもの頃から絵を書くのが大好きで、小柄な体型ながらも非常によく食べ、旅エッセイでの食べ歩きなどの身近なテーマを、親しみやすいイラストエッセイで連載して人気を得てきたイラストレーター・たかぎなおこも、親孝行もしたいお年頃。
「理想の娘じゃなくてごめんね」という気持ちが前提にある、3月13日金曜日発売の『親孝行できるかな?』(KADOKAWA/メディアファクトリー)...。
コミックエッセイならではのやさしさなのか、決して重苦しさのないゆえに、ほのぼのさせられる。
いわゆる娘目線だけでなく、親の立場も考えながら、シルバー世代の両親との思い出づくりに奮闘する、なおこさんが素敵だった。
「親孝行したいときには親はなし」、というけど、なおこさんのように普段東京で何気なく暮らしているときも、「これお父さんが好きそう」「これを見せたいな」「食べさせたいな」と思って過ごして、実行する人は、本当に親孝行だと思い知らされるかのよう。
とにかく全体を通して、思いやりと優しさが随所からあふれていて...。
イラストレーター・たかぎなおこさんのご両親が末永く健在であることと、なおこさんがたくさん親孝行できることを祈って...。
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